電球型LED照明が急激に値下がり
地球温暖化対策のためサミットでは先進国が80%のCO2削減を宣言しました。家庭での省エネ対策の一つとして白熱電球から電球型蛍光灯やLED電球に置き換える方法があります。
(参照:白熱電球から蛍光灯さらにLED照明へ)
消費電力で比較すると電球型蛍光灯で白熱電球比1/6、LED電球にすると1/8まで削減出来ます。省エネ効果はあっても価格的に釣り合わなかったLED照明ですが、シャープや東芝など大手メーカーが戦略的な低価格での発売を決めたことで、LED照明が一気に普及しそうな勢いです。
パナソニックが軽量、省エネLED電球でシャープ、東芝に対抗
低価格なシャープ製 LED電球 2009/8発売
LED照明は消費電力が少なくCO2削減に効果的だと、最近の省エネブームを追い風に注目を集めています。しかし、白熱電球や蛍光灯などの既存の照明器具と比べると高価で、一般家庭に普及するのは数年先かと思われていました。
たとえば、東芝ライラックが2009年3月に発売した白熱電球ソケット(E26口金)にそのまま付けられる発光ダイオード(LED)電球は、当初1万円程度の価格を設定していました。東芝は一般家庭への普及よりも、まずは省エネ意識の高い企業の購入を想定し業務用を意識した価格設定だったのでしょう。
ところが、照明器具では後発のシャープが電球型LED照明に参入してきたことで、市場がにわかに騒がしくなってきました。シャープは新開発の60W相当LED電球をなんと3,980円という低価格で発売を始めたからです。
(参照:シャープ LED照明サイト)
シャープの動きにいち早く反応したのは東芝です。東芝はシャープの発表からわずか11日後にシャープと同等製品(LED電球E-CORE)をシャープとほぼ同じ4千円弱で発売すると発表しました。
(参照:東芝ライラック 従来価格の約半額のLED電球)
さらに照明器具では最大手のパナソニックが満を持して高性能の電球型LED照明を発表しました。下表にパナソニック、シャープ、東芝など主な最新LED電球のスペックを比較します。60WタイプではパナソニックのLED電球が消費電力、明るさの面でやや優れ、特に重量が軽いのが目立ちます。60W白熱電球の重さは30g程度なので、LED電球はまだ重いのですが、将来的にはまだ軽くなる余地がありそうです。
|
上の表には記載していませんが、パナソニックとシャープは調光タイプのLED電球がラインアップされています。パナソニックは調光タイプでも消費電力は1Wアップ程度に収まり、省エネ性能が高いといえます。
LED照明はユーザーに受け入れられるか
LED電球と白熱電球はどちらがお買い得?
シャープが先鞭を切ったLED電球の価格競争、照明器具メーカー各社は電球型LED照明が4,000円を切ると急激に普及すると考えています。というのは、現在60Wの白熱電球は寿命が約1,000時間で価格は100円程度です。一方LED電球は、寿命が4万時間と白熱電球の40倍あります、ですから価格が40倍の4,000円なら、費用対効果が並ぶことになります。さらにLED電球は、消費電力が白熱電球の1/8なので、電気代を考えるとLED電球の方がお得になるというわけです。
|
LED電球はいいことずくめのようですが、注意すべきこともあります。
LED照明の弱点
- LED照明は光の広がり方が違う
-
発光体であるLEDチップは光を直線的に放射します。メーカー各社はLED電球として商品化する場合、光を分散させる仕組みを組み込んでいますが、白熱電球とは光の広がり方は違うと認識した方がいいでしょう。
照明の当たり方の問題で相当ワット数が同じでも、LED照明は蛍光灯より暗く感じることがあります。
(参照:期待の省エネ策、照度に悩むコンビニ) - LED照明の付帯回路が発熱する
- LED照明の心臓部であるLEDチップはほとんど熱を出しません。ところが、家庭用AC電源を発光体であるLEDチップに供給する電気を作る付帯回路が発熱するのです。さらにこの回路を照明器具に組み込むことでLED照明が重くなってしまいます。
シャープと東芝ライラックのメンツをかけた争いとも見えるLED電球の価格競争、家庭でのCO2削減に効果があり、省エネに役立つなら白熱電球の買い換えにはLED電球を選んでもいいかもしれません。