白熱電球から蛍光灯さらにLED照明へ

アジア地域の地球 夜の姿
宇宙から見た夜の地球(アジア地域)@NSN

地球温暖化対策のため省エネルギーに世界各国が取り組んでいます。しかし、宇宙から見ると先進国では夜中でも明かりを煌々と照らし、活発な活動を行っているのがわかります。
照明だけがエネルギーを消費しているわけではありませんが、人間が火を発明した時から人類による地球環境の破壊が始まったとも言います。そんな灯りを取り巻く省エネルギーの取り組みを考察します。

照明の家庭でのエネルギー消費比率は高い

エネルギー使用用途の推移/日本
日本でのエネルギー使用用途の推移 出所:住環境計画研究所

上のグラフ「日本でのエネルギー使用用途の推移」を見てわかるように、日本の一般家庭では暖房の省エネ対策が進み1970年代には70%前後あった暖房用途のエネルギー消費が、現在では50%を下回るまでに低下しています。それに引き換え照明や家電製品の占める電力消費はほぼ横ばいで、一般家庭の消費エネルギーに占める割合は高まっています。
(参照:家庭で電力消費が多いのは

現代生活には明るい照明が欠かせないという理由もありますが、生活が24時間化し夜型生活を送る人が増えていることも照明用電力が減らない理由でしょう。

そんな中、日本政府は照明器具の中でも消費電力に対する照明効率の悪い白熱電球の製造・販売を停止し、より効率の高い蛍光灯や電球型蛍光灯への移行を推進することが検討されています。
(内閣官房作成:低炭素社会づくり行動計画

実はオーストラリアでは2009年ないし2010年までにはエネルギー基準を満たさない商品の販売は違法となり、白熱電球もその対象となっています。オーストラリアでは日本よりも進んだ地球温暖化対策を実施しており、白熱電球に白羽の矢が立ったというわけです。

蛍光灯の省エネ効果

白熱電球と蛍光灯の点灯総経費比較
白熱電球と電球型蛍光灯の点灯総経費比較 @東芝ライテック

エジソンの発明した白熱電球は、消費電力に対して発光量(発光効率)が低いとしてより発光効率の高い照明器具への移行が急がれています。既に現在販売されている家庭用照明器具のほとんどは蛍光灯を利用したものですが、一部白熱電球でないと不都合な用途が残っています。
たとえば、階段や廊下など利用時間が短く、短時間で明るくなる必要があるところは、白熱電球の電気を流しはじめてから短時間で最大光量に達する特性に合っています。このような用途には蛍光灯は利用しづらく、現在でもほとんど白熱電球が利用されています。

最近、白熱電球とほぼ同じ形状をした蛍光灯「電球型蛍光灯」が登場しています。この「電球型蛍光灯」形状も口金も白熱電球とほぼ同じなので、白熱電球を利用している既存の照明器具にそのまま利用することが出来ます。 しかも、蛍光灯とほぼ同じ発光原理なので消費電力は低く、寿命も長いので省エネ効果も期待できます。

 消費電力 白熱電球の1/4~1/5
 寿命   白熱電球の2~6倍

電球型蛍光灯製造メーカーも白熱電球の置き換えに本腰を入れており、東芝ライテックは2010年をメドに白熱電球生産・販売の完全終了を決定しています(2010年を目途に一般白熱電球の製造を中止)。同様にパナソニックも白熱電球の生産を削減し、点滅耐性を高めたタイプを中心として電球型蛍光灯の生産量を増やす方針です。

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LED照明が今後の主流になるか?

LEDの発光原理
LEDの発光原理 @松下電工

次世代の照明と言われているのがLED(発光ダイオード)を利用したLED照明です。発光ダイオードは1960年代に発明され現在では多くの電化製品や工業製品にも応用されています。近年青色LEDや白色LEDが開発されたことで、これまで不可能だった照明用途にもLEDが利用されるようになってきました。
LED(発光ダイオード)の発光原理は、蛍光灯とは異なり電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、熱の発生も少なく蛍光灯よりもさらに発光効率は高まると期待されています。既存の白熱電球、蛍光灯とLED照明の性能を比較します。

白熱電球 蛍光灯 LED照明 比較
白熱電球 蛍光灯 LED照明
照明効率 10% 25% 32%
寿命 1千時間 1万時間 4万時間
価格 数百円 約1,000円 約4,000円
(照明効率とは入力エネルギーに対する可視光に変換される割合)

価格の問題を除くとLED照明は、すぐにでも既存の照明機器を置き換えられそうですが、実は大きな問題があります。それは、光量の大きな照明装置を作りにくいということです。現在実用化されているLED照明の多くは懐中電灯程度の明るさしかありません。
しかし、LED照明の製品化に参入を表明する企業も続々と登場しており、近い将来既存の照明装置がLED照明に置き換えられる日も近いと思われます。
(2009/7/10訂正)

2009年6月シャープが60W相当の電球型LED照明を4千円を切る価格で発売しました。これまで同等製品なら1万円程度となる価格を一挙に1/2~1/3に引き下げる大胆な価格設定です。
上で述べたLED照明の価格問題が解消され、急激にLED照明が普及する可能性が出てきました。
(参照:電球型LED照明が急激に値下がり

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