エコ給湯設備どちらがお得

用途別エネルギー消費量比較
アジアの世帯当たり用途別エネルギー消費量比較 @住環境計画研究所調べ

日本人は夏でも冬でもお湯のない生活は考えられなくなりました。日本のような先進国ではエネルギー消費の中で給湯が大きな割合を占めています。
2008年からは二酸化炭素(CO2)使用量削減を決めた京都議定書の計算期間が始まりました。日本ではまだまだCO2排出量が多くとても京都議定書に定められた目標には届きそうにありません。私たち消費者が少しでもCO2排出を削減するためには、毎日の生活で少しでも無駄を省く必要があります。
お湯を使わないのが最も省エネですが、最低限のお湯はやはり必要です。そこで、少しでも地球温暖化を避けるためCO2排出量の少ない給湯設備を選びましょう。

エコキュートとエコジョーズを比較

エコキュートとエコジョーズを比較
電気ガス給湯設備比較 @東京ガス

日本では電力会社とガス会社が互いに自社の設備が環境にやさしい、エネルギー効率が高いと宣伝しています。ここでは、地球温暖化対策の観点から考えてどちらが有利なのかを考えてみましょう。
ここで問題なのはCO2排出のタイミングです。ガス給湯設備は家庭で使用するときにCO2が排出されますが、ガスの採掘時や輸送時にはあまり大きなロスはありません。一方電気による給湯設備は、家庭での使用時はCO2は排出されませんが、火力発電所での発電時に大量にCO2が排出されます。また、電気は発電効率や送電時にロスが大きく元のLNGガスエネルギーの40%程度しか利用できないと言われています。
そこで、ここでは電気給湯設備とガス給湯設備の比較に、火力発電所で使用するエネルギー量(ガス換算)とガス熱量で比較することとしました。

給湯設備では、電気はエコキュートをガスはエコジョーズが最もエネルギー効率が高いと宣伝しています。それぞれを比較してみましょう。

電気、ガス給湯機器 それぞれの特徴

熱効率は高い エコキュート
エコキュートはヒートポンプという空気の熱を利用することで電熱器で直接温めるよりも3~4倍も効率が高いのです。ただし、発電時、送電時にロスがあるので熱効率が3倍だとしても
300%×0.4=120%となります。
エコキュートは一般に電力料金の安い深夜電力を使い、お湯を貯めて利用します。時間差のため湯温が下がるので、またロスがあります。実験では実際に利用できるのは2/3程度とのことですので、120%×2/3=80%になってしまいます。
エコジョーズは潜熱も利用
エコジョーズは瞬間湯沸かし器の効率をUPした給湯設備です。従来の給湯機で捨てていた排気熱・潜熱を回収するシステムによりエネルギー効率が約95%まで高まっています。エコジョーズは利用時にお湯を作るためお湯を貯める事による時間差ロスはありませんが、運転、停止のロスや給湯管などから逃げる熱もありますので、10%程度は落ちると計算しても熱効率は85%はあるのです。
ガスの場合は、製造時や輸送時のロスはほとんど無いので1次エネルギーから考えても85%程度の効率と計算できます。

エコキュート、エコジョーズ以外の給湯設備は、よりエネルギー効率が悪いと考えられます。

ヒートポンプは熱効率が高いが電気はロスが多い

エコキュートの構造
ヒートポンプを使うエコキュートの構造

ヒートポンプは消費するエネルギーに比べて暖房能力や冷房能力が非常に高いです。エコキュートでは消費電力の3~4倍の熱を発生させることが出来ます。
なぜこのようなことが可能かというと、空気中にある熱もお湯を温めるのに利用しているからなんです。ヒートポンプはエコキュートだけでなくエアコンや冷蔵庫など多くの家電製品にも使われています。特に最新の省エネ商品はヒートポンプの効率が高く、さらにエネルギー効率が高まっています。
(参照:ヒートポンプがCO2削減に効果

火力発電所の熱効率

火力発電所の熱効率
火力発電所の熱効率 @東北電力

電気は使い勝手のいいエネルギーですが、電気を作る効率はあまり高くありません。最新設備の火力発電所でも熱効率は50%程度です。通常はエネルギー効率40%も出ればいい方でしょう。
一方、発電所にはCO2を排出しない原子力発電所もあります。原子力発電所はCO2を排出しない変わりに放射性廃棄物を排出します。どちらが地球環境にやさしいのか、どちらも人間が作り出した必要悪のようなものです。
今回の計算には、原子力発電所で作った電気のことは考慮に入れていません。原子力発電所はCO2は排出しませんが、地球環境には決してよくないと考え、敢えてはずしました。
(参照:ロハス流電力節約術

初期投資とランニング費用の問題

はぴeタイム契約
はぴeタイム契約電気料金/電力ライフ.com

1次エネルギー利用から考えると、電気を使うエコキュートもガスを使うエコジョーズもCO2排出量の差は僅かのようです。賢い消費者が従来品から最新の省エネ機器に切り替えるかは経済性があるかが問われます。
経済性から見た、エコ給湯機器を比べてみます。

経済性を見るとき重要なのは、初期費用とランニングコストです。
初期費用が高すぎるといくらランニングコストが従来品より安くても、高額な初期費用分を回収するのに何十年もかかってしまい、結局高い買い物だったと言うことになります。
エコキュートとエコジョーズで経済性を比較してみます。

初期費用、ランニングコスト比較
エコキュート
電気
エコジョーズ
ガス
初期費用 4人家族向 30~70万円 20~40万円
ランニング
コスト
単価/MJ 1.75円(深夜) 3.47円
年間 40,000円 68,500円

深夜電力を使うエコキュートは深夜電力割引を使えるので、ランニングコストはかなり安くなります。一方初期費用はエコジョーズの方がお安くなります。最終的には消費者の好みの問題になるでしょうが、一つの目安としては大家族で大量にお湯を使う家庭ではエコキュートに分があり、お湯の使用量が少ない家庭はエコジョーズが有利になるでしょう。

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