ロハス流電力節約術
日本の電源構成比
電気というとクリーンなイメージがありますが、電気を作るために地球環境に少なからずダメージを与えています。日本では約60%の電気は火力発電によって作られています。燃料は原油やLPG、石炭などの化石燃料です。これらの燃料を燃やすことで二酸化炭素(CO2)も排出されます。
地球温暖化防止のためには少しでも電力消費量を抑えたいものです。
家庭で電力消費が多いのは
電力消費の多い家電製品(出典:ECCJ)
家庭の電力消費量を調べると、最も電気を消費しているのはエアコンで以下、冷蔵庫、照明器具、テレビと続きます。この4種類の家電製品だけで全電気消費量の約67%を占めます。
この4種類の電気製品を効率的に使うことで家庭の電力消費量を減らし資源の節約につながります。製品別に節約法を見てみましょう。
ロハス流節電方法
- エアコン
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消費電力の少ない効率の良い製品を選ぶのが第一ですが、使い方によっても無駄な電力を消費することがあります。
まず設定温度、夏は28度以上に冬は20度以下にしましょう。室外との温度差が大きいほど電力消費量が多くなります。次にフィルターの清掃をまめに行いましょう。2週間に1度は掃除して欲しいですね。また、室外機に直射日光が当たらないように気をつけましょう、室外機は熱交換する機械なので回りにスペースを作ってください。空気循環ができないとよけいな電力を消費します。 - 冷蔵庫
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冷蔵庫は1年365日電源の入っている家電製品です、少しでも消費電力の少ない製品を選びましょう。使い方によっても消費電力は変わります、一つは食品を詰めすぎないこと、庫内にすき間がないと、冷気の循環が悪くなります。また、ドアの開閉回数を少なくし開けている時間を短くしましょう。
冷蔵庫も背面に熱交換機があります。冷蔵庫の後ろや側面に空間を作り熱を逃がし易くしてください。
(参照:エコポイントを活かす冷蔵庫選び) - 照明器具
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照明器具を比較すると、同じ明るさなら電球よりも蛍光灯の方が消費電力は少なくなります。最近は電球型の蛍光灯もありますので、長く点灯している照明器具は蛍光灯に交換された方が電気代の節約になります。
(参照:白熱電球から蛍光灯さらにLED照明へ) - テレビ
- 最近大型テレビが主流になっています、大型化するほど消費電力は増えるので程々のサイズを選びましょう。節電にはテレビを消すことです、見終わったTVは消しましょう。TV画面はホコリが着きやすいものです画面の汚れを掃除するとあまり明るくしなくてもキレイに見られます。
意外な待機電力のムダ
家庭での待機電力(出典:ECCJ)
待機電力というのは電気製品を使っていないのに、ただ指示を待っているだけで電力を消費している状態を言います。たとえばリモコンでテレビを消したとしましょう。テレビは、次にリモコンを押された時にすぐに画面と音が出るようあらかじめ準備しているのです。ですから、リモコンでTVを消してもテレビ本体は電気を使い続けています。
このような待機電力は意外と多く全消費電力の7.3%を占めています(上図参照)。電気代に換算すると年間約6800円にもなります。無駄な待機電力を少しでも減らしてロハスな生活を目指しましょう。
待機電力節約のコツ
- 主電源を切ろう
- 夜などしばらくテレビを見ないときは、リモコンではなくTV本体の主電源を消しましょう。エアコンなども長期間使わないときは本体の電源を切りましょう。リモコンを使う機器はすべてしばらく使わないときは本体側の電源を消しましょう。
- スイッチ付きタップを使う
- 主電源を消しても少し電力を消費する機器があります。完全に電力消費をなくすにはコンセントを抜くことです。ただコンセントの抜き差しはプラグを傷めることにもなりますので、スイッチ付き電源タップを使うと便利です。
- 低消費電力製品に買い換え
- 待機電力の少ない製品が増えてきました。電気製品を購入するときは待機電力にも気をつけて選択してください。
家電製品の選び方
テレビの新旧消費電力比較(出典:e-Patio)
省エネルギー法が制定されて以来、家電製品や車などは消費電力(燃料消費)の削減目標が明示されています。トップランナー基準を呼ばれる製品の目標性能を定め、その基準を満たしているかどうかを明示する制度も始まっています。
これらの施策もあり、家電製品は年々消費電力を削減しています。上の表は10年前のテレビと現在のテレビの消費電力比較です。明らかに新しいテレビの方が消費電力は下がっています。あまり頻繁に買い換える必要はありませんが、買い換えるときは消費電力にも注意しましょう。
省エネラベルも購入の目安に
省エネ性マーク
省エネラベル(冷蔵庫)
- 省エネ性マークとは
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トップランナー基準を達成しているかどうかを示すマークです。
左側の緑色のマークはトップランナー基準を達成した(省エネ基準達成率100%以上)製品につけられるマークです。右側の橙色のマークは省エネ基準未達成(100%未満)の製品を表します。 - 省エネラベルとは
- 最近家電販売店でエアコン、冷蔵庫、テレビを見ると左のような省エネラベルが表示されています。このラベルは省エネ基準達成度合いを比較できるように作られたラベルです。メーカーを越えて達成度合いを比較できるのが大きなメリットです。
- 達成値(%)にだまされないように
- 省エネラベルはそれなりに役立つのですが、省エネ達成度だけを見るとだまされることがあるのでご用心。この基準は製品の内容により細かく規定されています。例えば冷蔵庫では容量が大きくなるほど緩い基準になります。本当に大事なのは省エネ達成基準よりも年間消費電力です。注意してご覧になるとわかりますが、複雑な機能を付けた製品ほど達成率は高いのですが、年間消費電力は多くなっています。つまり、このトップランナー制度かなり家電メーカーよりに作られていると言うことです。賢い消費者は達成率ではなく、年間消費電力を見て選びましょう。
販売店も省エネに協力
省エネ商品の普及促進に努めている販売店を評価する制度があります。まだ、十分周知されていませんので、平成18年度省エネ型製品普及推進優良店は大規模家電販売店で114店舗、中小規模家電販売店で36店舗と少数です。
消費者から見ても、一般家電販売店との違いがよくわかりませんね。もう少し消費者、販売店のメリットを明確にする必要がありそうです。