ロハス流自動車研究
いくら車より歩きましょう自転車に代えましょうと言っても、どうしても車がないと生活できない場所にお住まいの方もおられます。そんな方に、環境にやさしい自動車利用法をご提案します。
しかし、車をお持ちだからと言って徒歩や自転車で行けるところは自動車は使わないようにしましょう。
ロハス流運転術
アイドリング・ストップ実験効果(都市部)
車はガソリンなどの化石燃料を燃やして動く交通機関です。それもせいぜい数名の人間しか運ぶことができません。電車やバスなどの公共交通機関に比べると一人当たりのCO2排出量はかなり多い乗り物です。
(参照:燃料消費比較)
公共交通機関が少ない地区ではどうしても自動車に頼ることも多くなります。そこで、車を運転するときに少しでも燃料節約になり、お財布にも地球環境にもやさしい運転法をご提案します。
省エネ運転術
- アイドリング・ストップ
- 何と言っても一番効果的なのは、無駄なアイドリングを止めることです。財団法人省エネルギーセンターが行った実際の走行実験によると、アイドリング・ストップで約10%の燃費改善効果がありました。停車頻度の高い都市部では更に高い効果が期待できます。
- 暖機運転は不要
- アイドリングに続いて不要なのは暖機運転です。案外知られていないのですが、最近の車は暖機運転は不要です、暖機運転はエンジンのためにも良くありません。
- 急発進、急ブレーキはダメ
- 急発進、急ブレーキ、急ハンドル、このような危険運転は燃費にも悪影響があります。なるべく一定の速度で走るのが燃費向上になります。
- 停滞道路は避ける
- 車が多く停滞していると、どうしてもアイドリングが多くなり燃費が悪くなります。停滞している道を避け、快適なドライブコースを選びましょう。
- 不要な荷物は降ろす
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自動車は、車重が重くなるほど燃費が悪くなります。ですから、なるべく自動車には荷物を積み込まない方が燃費改善につながります。
忘れがちなのは、トランクなどに使わない荷物を入れて放置されていることです。ゴルフバック入れっぱなしではありませんか? - 空気圧チェック
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自動車の燃費を悪くする原因に、タイヤの空気圧が正しくないこともあります。ガソリンスタンドなどでこまめに空気圧チェックをしてもらいましょう。
さらに、ルーフボックスやルーフキャリアは使わないときははずしましょう。空気抵抗が大きく高速運転時に燃費が悪くなります。 - 一人乗りより、相乗り
- 一人当たりの燃料消費量を考えると、自動車に複数の人間が乗っているほうが燃料効率は上がります。複数の人が同じ目的地に行く場合は、なるべく乗り合って行きましょう。
ロハスな車の選択
車両重量とエンジン別の燃費比較
どうしても自動車が必要な場合、ロハス流の自動車選択は次のように考えます。
まずは、アイドリング・ストップ車を検討します。最近各自動車メーカーからアイドリング・ストップ機構をあらかじめ備えた車が発売されています。アイドリング・ストップ車は、燃費を意識した自動車ですのでなにかと環境に配慮した作りになっています。
さらに、上図にも示されているように自動車は車両重量が重くなるに従って燃費は悪くなります。なるべく軽い車を選びましょう。
ロハス流自動車選択
- アイドリング・ストップ車が良い
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アイドリング・ストップは信号待ちなどの度に、運転者によけいな操作をさせるという問題があります。なるべく運転者の操作を少なくする工夫がされたアイドリング・ストップ車が発売されています。
車種によりエンジンスタートの方法は異なりますが、一般の車よりはアイドリング・ストップ操作が楽になるはずです。 - 軽い車が、ロハス流
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エンジンは自動車を動かすときにエネルギーを使います。この移動エネルギーが少ない方が消費エネルギーも少なくてすむということで、車両重量の軽い車の方がエネルギー消費が少なくなります。
車の選択には車両重量にも注目してください。 - 排気量も控えめに
- 排気量が多いとエンジンパワーは上がりますが、燃費は悪くなります。必要以上に大きな排気量は不要です、なるべく排気量の少ない車を選びましょう。
- 年式の新しい車がロハス
- 運輸省などのきびしい省エネ基準への改訂で、年々車の燃料消費量規制が厳しくなっています。この基準を満たすように自動車メーカーは年々燃費の良い車を開発しています。たとえ中古車を選択される場合でもなるべく年式の新しい車を選ぶようにしましょう。
ハイブリッド車とディーゼルエンジン
トヨタ プリウス
自動車の選択で忘れてならないのが、ハイブリッド車です。日本は世界に先駆けてハイブリッド車が普及している地域です。
トヨタやホンダのハイブリッド技術によるところは多いですが、ハイブリッド車が同程度の排気量の車よりも燃費が良いのは確かです。ロハスな自動車選択にはもちろんハイブリッド車も重要な候補に入ります。
(参照:プリウス対インサイト環境に優しい車は)
ハイブリッド車が環境によいのは、自動的にアイドリング・ストップが実施されたり、回生ブレーキという減速エネルギーを電池に蓄え、次に発進するときなどに利用できることなど多くの技術的優位性があります。
しかし、ハイブリッド車も全能ではありません。スピードを出しすぎたり、急発進、急ブレーキなどの無理な運転をすると燃費は悪くなります。ハイブリッド車であっても省エネ運転を心がける必要はあります。
ヨーロッパで人気のディーゼル車
世界の地域別ディーゼル車シェア(出典:BOSCH)
日本人には意外かもしれませんが、ヨーロッパではディーゼル車が人気を博しています。これは、ディーゼル車が燃費も良くエンジンの改良などで窒素酸化物の排出量も減って、環境にやさしい車と見直されているからです。
ヨーロッパでハイブリッド車よりもディーゼル車に人気があるのはいくつかの理由があります。一つは道路事情があります。日本のような慢性的な渋滞は少なく、町の中心部以外は一定の速度で走れハイブリッド車が得意とする止まったり発進したりの繰り返しが少ないことがあります。もう一つは、ディーゼルエンジンの燃料である軽油の質の違いがあります。ヨーロッパでは硫黄分の少ない北海油田産の軽油を使うので、ディーゼル車からも有害な排気ガスが排出されくいのです。一方日本は硫黄分の多い中東油田に依存しているので、脱硫装置などに費用がかかってしまうという問題を抱えています。
今のところ、日本で環境にやさしい自動車を選ぶのであればハイブリッド車に少し分があるように思います。皆さんはどんな車を選択されるでしょうか。