3月日銀短観を受けて為替市場はどう動く
4月2日に発表された日銀短観によると、しばらく景気改善を続けてきた日本企業に少しブレーキがかかったように見えます。
大企業非製造業が横ばいだった他は、若干の悪化となっています。一つ考慮に入れておかねばならないのが、2月末に起こった世界同時株安も今回の短観評価期間に入っていることです。事前予想でも若干の悪化が見込まれていましたので、まずは予想の範囲内といえるでしょう。
- 大企業製造業(DI) 2ポイント悪化
- 大企業非製造業(DI) 横ばい
- 中小企業製造業(DI) 4ポイント悪化
- 中小企業非製造業(DI) 2ポイント悪化
日銀短観では業況判断だけでなく、設備投資計画も発表されます。大企業全産業の設備投資計画は前年比+2.9%と旺盛な設備投資意欲が確認されました。この数値はバブル期以来の高い数字で業況判断の悪化を考慮に入れても景気の腰折れを懸念する必要はなさそうです。
さて、今回の日銀短観を受けて、市場の反応はどうでしょう。市場関係者の意見を並べると次のようになります。
- 予想の範囲内、市場への影響は限定的
- ほとんどの市場関係者は、このような反応でしょう。DIの悪化も設備投資の伸びも予想の範囲内との見解です。米国の景気悪化や住宅市場問題が気になるとのコメントもあります。
- DIは市場予想を下回る、景気は踊り場を迎える
- 国内企業はしばらく踊り場に入るとの見解もあります。
今回の日銀短観発表や先日の消費者物価指数(CPI)の発表で、日本経済の減速感が明確になってきました。しばらくは、日銀による利上げは行われない見通しとなったため今後半年程度は現状の金融政策が継続されるものと見られます。
今後の注目はやはり米国経済がソフトランディングするのか、さらにはサブプライム問題をはじめとした住宅市場の先行き問題となるでしょう。