ドルの急落は投機筋による一過性現象か

11月24日に起こった米ドルの急落は、11月23日の日米祝日で取引量が少なくなる間隙を狙った投機筋の仕掛けだとか、中国人民銀行・呉副総裁のリスク分散発言がことの発端だとか言われています。
為替取引では一旦しきい値を超えるとストップロス(ロスカットシステム)に引っかかって一方向に急激に動くことがあります。今回のドル急落も少なからずこの影響でオーバーシュートが起こったことは伺えます。
さて、今回の急落は一過性のものですぐにこれまでの為替水準に戻るのでしょうか、少し考察してみました。
今回の米ドル下落は各国通貨に対して一様ではありません。ユーロ/ドルの下落がいちばん大きく1年8ヶ月ぶりのドル安だったのに対し、円/ドルの下落は3ヶ月ぶりのドル安水準にとどまりました。
この状況は次の挙げる、経済状況を反映しているのではないでしょうか。
- 北米地区景気の下降
- 米国住宅市況悪化、来年には利下げか
カナダは一足先に利下げも - 欧州景気の堅調
- 住宅価格上昇、利上げを継続
- 日本の足踏み
- 個人消費さえない、年内利上げは難しい
米国のクリスマス商戦は例年通りの滑り出しのようですが、不安定な株価、住宅価格が遠からず個人消費動向に影響を与えることが考えられます。これに対し、欧州は強い市況を反映し今後も利上げを継続する見込みです。日本では、日銀が追加利上げを示唆していますが足下の消費が冴えません。よほど大きな経済指標の改善でもない限り年内利上げは難しいでしょう。
これら世界主要各国のファンダメンタルズを見渡すと今回のドル急落で現状の為替水準はうまく落としどころを選んだのではないでしょうか。引き続き各国の経済政策から目が離せません。