ファンダメンタルズも万能ではありません
前記事に述べたように、「為替相場は基本的には二国間のファンダメンタルズの違いによって決まる」はずですが、必ずしもその通りにならないのが為替相場の難しいところです。
実は、為替は外国為替取引に参加している世界の投機マネーの需給バランスによっても変動してしまうのです。需給バランスというのは、単純に言えば買えば値段が上がり、売れば値段が下がるという売りと買いの力関係ともいえます。こういう場合、投機家の市場心理により、思わぬ為替変動が起こったりします。
例えば、1995年4月に1ドル=79円75銭という円高が起こりましたが、ファンダメンタルズからは説明できない為替相場なのです。当時日本経済は最悪の状態であり、ファンダメンタルズ面からは円を売るのが常道です。それでも円が買い進められたのは別の要因が強く働いたからです。
次の記事でその要因を考えてみます。